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『ドクター・フー』シリーズ4~冒険も笑いもパワーアップ~

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https://www.bbc.co.uk/programmes/b009wxzy

 

Every waking second I can see what is, what was, what could be, what must not. That's the burden of the Time Lord, Donna. And I'm the only one left.

- Doctor Who series 4 episode 2 "The Fires of Pompeii"

 

 イギリスの大人気SFドラマ『ドクター・フー』。今回は、そのシリーズ4の解説&感想を書いていきます。『ドクター・フー』が何なのかという説明は、シリーズ1のときにしているので、こちらの記事を参照してください。なお、この記事では、シリーズ4に加えてシリーズ5までの間のスペシャル・エピソード5話についても解説しています(Amazonプライムビデオでは、シーズン4エピソード15~19の5話分のこと)。

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『ドクター・フー』シリーズ4基本データ

・原題:Doctor Who

・放送局:BBC One

・放送期間:2007年12月25日~2008年7月5日

・キャスト:デヴィッド・テナント、キャサリン・テイト

・予告編:

www.youtube.com

 

良き相棒として、ドナ・ノーブル

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https://www.bbc.co.uk/programmes/b0074g6q

 シリーズ4で、ドクターのコンパニオン(一緒に旅をする人)になるのはドナ・ノーブルです。実は、彼女はシリーズ4が初登場ではなくシリーズ3の第0話(クリスマス・スペシャル)でコンパニオンとしてすでに登場しています。結局シリーズ3のコンパニオンはマーサ・ジョーンズになったのですが、シリーズ4第1話から再登場します。

 

 ドナ・ノーブルは、チズウィックに母親と祖父と住んでいる独身女性です。派遣会社で働いていて、秘書の仕事を行うことが多いです。去年のクリスマス(シリーズ3第0話)にドクターと会ってからは、再び彼に会おうとして、宇宙人が絡んでいそうな事件を勝手に捜査していました。

 

 ドナの特徴は、とにかく面白いところです。これまでのコンパニオンは多少冗談を言うことはあっても、それほどコメディに寄ることはありませんでした。しかし、ドナは面白発言やリアクションが多く、そのおかげでシリーズ4は全体的にこれまでよりもコメディ要素が強くなっています。

 

 また、ドナはドクターにぞっこんになることもありません。軽口をよく叩く割には、現実的な考えも持っていて、それほどドクターと親密になりたいと考えてはいないように見えます。もちろん、多少はドクターに惹かれることもあるでしょうが。

 

 演じるのは、イギリスの女優、コメディアンのキャサリン・テイトです。伊達のコメディアンではなく、BBCで自分のコメディ番組を持つほどの一流のコメディアンです。女優としては、イギリスの大人気ドラマ『The Office』のアメリカ版にレギュラー出演していました。

 

エピソード解説&感想(ネタバレあり)

第0話「呪われた旅路」

 クリスマス・スペシャルです。今回、ドクターは宇宙船タイタニック号に乗り込み、危機に立ち向かうことになります。宇宙船の名前からもわかる通り、この船は沈没(墜落)しそうになります。このエピソードは『ドクター・フー』らしからず、犠牲者が非常に多いです。宇宙船タイタニック号には、2000人程度が乗っていたそうですが、生存者はドクターを含めて4人。しかも、生存者の一人はクソ野郎です。

 

 でも、タイタニック号事故は実際にあったものなので、そういったところを考慮しての展開なのでしょう。自然災害や事故などでは、多数の被害者が出ますし、善人が生き残るとも限りません。今回は、そんな現実の苦さが取り入れられています。

 

 個人的には、バナカファラッタが凄く良いキャラをしていたのが印象に残っています。小さいけど、自信家。さらっと女性を口説いたりもします。最期には、その女性を守るために自らを犠牲にするなど、とてもカッコ良かったです。

 

第2話「ポンペイ最後の日」

 ドナにとって初の時空旅行となる今回の行先は、ヴェスヴィオ山噴火直前のポンペイです。案の定、エイリアンが地球を征服しようとしていたわけですが、その一方で歴史上の出来事であるヴェスヴィオ山の噴火を阻止することができるのかが見所になります。『ドクター・フー』の世界では、宇宙にとって重要な歴史的出来事を改変すると、宇宙が崩壊します。そのため、たとえポンペイで多くの人々が亡くなると知っていたとしても彼らを救うことはできないことになっています。しかし、ドナはそんな事実を受け入れることは出来ず、何とか人を救おうとします。

 

 そんなストーリーに加えて注目したいのが、そのキャストです。ポンペイで大理石店を営んでいるカエシリウスを演じているのは、なんとピーター・カパルディ!後に、12代目ドクターを演じることになる人です。

 

 さらに、序盤からちょこちょこ顔を見せるシブリーン修道院のシスターにも注目。メイクが濃くてほとんどわからないですが、実は彼女はカレン・ギランです!今や『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』や『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』で有名なカレン・ギランですが、『ドクター・フー』の世界では、シリーズ5~7でマット・スミス版ドクターのコンパニオン、エイミー・ポンドを演じていたことで知られています。

 

第5話「死に覆われた星」

 第4話「侵略前夜」の続きです。宇宙最強の戦闘種族ソンターランが地球を侵略しにやってきます。ソンターランは、見た目は芋みたいなんですが、だんだん可愛く見えてきます。ここではまだそんな兆候はありませんが、シリーズ5以降は癒しキャラになってくるので、要注目です。

 

 そして、今回再登場したのがマーサ・ジョーンズ。シリーズ3でドクターのコンパニオンを務めていた人物です。シリーズ3のラストで、ドクターと別れたマーサでしたが、あのとき渡した携帯電話が伏線となっていたのですね。マーサは医者志望で、もとから行動力は高かったのですが、今回も彼女のそんな面がよく出ています。

 

 ちなみに、第5話の中盤あたりでドクターがガスマスクを被ったときに"Are you my mummy?"と冗談を言うのですが、これはシリーズ1第9,10話を踏まえたもの。どういうことかは、シリーズ1を観た人ならすぐわかるはず。

 

第6話「ドクターの娘」

 前回に引き続き、マーサも引き連れてドクターとドナが訪れたのは惑星メッサライン。なんと、このエピソードではドクターの娘ジェニーが出てきます。娘とはいっても、メッサラインに到着するやいなやDNAを採取されて作られたマシーンなので、母親などはいません。登場シーンも退場シーンも唐突すぎるのですが、とりあえず可愛いから良いです(笑)

 

 ジェニーを演じたのは、イギリスの女優ジョージア・モフェット。実は、この人は本当に「ドクターの娘」なのです。というのも、彼女の父親ピーター・デイヴィソンは5代目ドクターを演じた人物です!

 

 それだけではありません。彼女の現在の名前は、ジョージア・テナント。これはまさか!そう、彼女は2011年にデヴィッド・テナントと結婚しました。現在までに5人の子供を授けています。言い換えれば、テナントはドクターの娘と結婚したわけで、何かの縁があったのでしょう。

 

第7話「アガサ・クリスティー失踪の謎」

 今回の舞台は1926年のイギリス。今回は、アガサ・クリスティーが登場します。このエピソードで扱われるクリスティーの失踪事件は実際に起こったもので、いまだに真相は明らかになっていません。また、1935年にクリスティーが発表する『雲をつかむ死』にはハチに刺されたような殺人事件が扱われ、細かい点でも色々なオマージュがされています。クリスティー愛にあふれるこのエピソードは、クリスティーファンの自分にとっても楽しかったです。

 

 キャストで注目したいのが、脇役のレッドモンドさん。最終的に宝石泥棒だったことが明らかになる人です。演じているのは『博士と彼女のセオリー』や『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』で知られる女優フェリシティ・ジョーンズです。

 

第9話「影の森」

 第8話「静寂の図書館」の続きです。今回ドクターが挑むのは、影に潜む空中のピラニア、ヴァシュタ・ナラーダ。そのドクターをサポートする人物として、リバー・ソング教授が登場します。未来のドクターと会ったことがあるそうで、彼の将来のことを色々知っています。ドクターが知らないことを知っているのは、フェイス・オブ・ボーと彼女ぐらいなので、要注目です。

 

 それにしても、スティーブ・モファットが脚本を書いたエピソードはどれも面白いですね。シリーズ3では第10話「まばたきするな」を手掛けていましたが、今回も目に見えない敵が登場します。目には見えないんだけどしっかり怖い悪役や、リバー・ソング教授を登場させて、時間軸を活用した展開などは今回も健在。他のエピソードよりもやや話は複雑ですが、その分面白いストーリーになっています。

 

第12,13話を大解説!

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http://www.bbc.co.uk/doctorwho/s4/features/videos/video_your_greatest_moments_01

 第11話「運命の左折」、第12話「盗まれた地球」、第13話「旅の終わり」はすべて繋がった話です。第11話で、ドナはパラレルワールドに送られますが、そこでローズに出会い無事に元の世界に戻ります。そんな折、地球にダーレクが襲ってきたため、ドクター・ファミリーは総動員で戦うことになります。まさに『アベンジャーズ/エンドゲーム』のような展開で、非常にわくわくします。

 

 ただ、『アベンジャーズ/エンドゲーム』もそうであったように、第12,13話はこれまでの話を知らないと100%楽しむことはできません。そこで、今回出てくるキャラクターを一斉におさらいしておきましょう。

 

 ドクターとドナ・ノーブルについてはもう良いでしょう。ドナは、母親と祖父と暮らしていたということは思い出しておくと良いかもしれません。

 

 マーサ・ジョーンズは、シリーズ3でドクターのコンパニオンを務めていた人物です。彼女は現在、NYに本拠地を置くUNITという組織に勤めています。シリーズ4でも、第4~6話に登場していました。シリーズ3最終話などからもわかるように、マーサは非常に行動力が高い人物です。

 

 そして、なんとローズ・タイラーも第11話から登場します。彼女は、シリーズ1,2でコンパニオンを務めていた人物です。ローズは、シリーズ2の最後の戦いでパラレルワールドに行ってしまい、ドクターと永遠の別れ(と思われていた)をします。彼女は、ドクターをとても大事に思っていて、それはドクターも同様でした。だから、シリーズ3でドクターはマーサに対してあんなにつれない態度だったわけですが、それほどにローズはドクターにとって大事な存在でした。

 

 そのローズの母親がジャッキー・タイラー、恋人がミッキー・スミスです。ミッキーは、最近どんどん戦闘能力が高くなっています。

 

 さらに、スピンオフドラマ『秘密情報部トーチウッド』の面々も登場します。トーチウッドとは、キャプテン・ジャック・ハークネスが率いているチームで、宇宙からの脅威から地球を守っています。

 

 もう一つのスピンオフドラマ『サラ・ジェーン・アドベンチャー』からもサラ・ジェーン・スミスと息子のルークらも登場します。サラ・ジェーン・スミスは、旧シリーズでドクターのコンパニオンを務めていた人物ですが、新シリーズのシリーズ2第3話で再登場しています。

 

 そして皆さんは、ハリエット・ジョーンズという人物を覚えていますか?シリーズ1第4,5話では議員として果敢に宇宙人スリジーンと戦い、シーズン2のクリスマス・スペシャルのときには英国首相になっています。しかし、無差別に宇宙人を攻撃したことをドクターに責められ、彼の策略によって首相の座を下ろされることになります。そんなハリエット・ジョーンズが、再々登場します。その抜群のリーダーシップは今回も健在です。

 

 また、忘れてはならないのが、ダーレクの唯一の生き残りダーレク・カーンです。タイムロードの宿敵ダーレクは、タイムウォーによってほとんどが絶滅しましたが、その後もしぶとく生き残りがいました。シリーズ3第5話では、生き残っていた4体のうち3体が倒され、現在唯一生き残っているのがダーレク・カーンです。しかし、カーンはタイムウォーの最中にタイムトラベルし、ダーレクの生みの親であるダヴロスを現在に連れてきて、再びダーレク帝国を再建します。このときに、カーンは未来のすべてのことを知ることになり、今は予言者という立場になっています。

 

 そんなダヴロスの今回の目的が、地球など27の惑星を利用して全宇宙を破壊しようというものです。でも、全宇宙を破壊したらダーレク帝国の居場所もなくなってしまうではないかと個人的には思うのですが、どうやらそれは構わないようです(笑)

 

 このように、第12,13話はシリーズ1~4のキャラクターが総出演し、さらにはスピンオフドラマや旧シリーズのキャラクターも登場する超豪華エピソードです。『アベンジャーズ』の比じゃないですよ。だって、『ドクター・フー』には50年の歴史があるんですから!

 

スペシャル・エピソード(ネタバレあり)

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↑スペシャル・エピソード5話分の予告編

 

2008年クリスマス・スペシャル「もうひとりのドクター」

 コンパニオンがいなくなったドクターが次に訪れたのは、1851年のロンドン。ドクターはここで別のドクターに会うことになります。実際には、彼はドクターの記憶が植え付けられただったのですが、サイバーマンから人々を守ろうと果敢に挑んだ姿勢は素晴らしいですね。

 

 なお、このエピソードの原題は「The Next Doctor」で、ちょうどシリーズ4が終わったタイミングでもあることから、ついに11代目ドクターの登場か⁉と思ってしまいます。しかし、実際にはそうではありませんでした。このドクターの記憶を移植させられた人物を演じたデヴィッド・モリシーは、『ウォーキング・デッド』シーズン3,4に出演し、『グッド・オーメンズ』では再びデヴィッド・テナントと共演しました。

 

2009年イースター・スペシャル「死の惑星」

 今回のエピソードには、なんとターディスがほとんど登場しません。その代わりに、バスがワームホールを通って別の惑星に行ってしまいます。それにしても、半径16kmのワームホールとは、やたらデカいですねぇ(笑)

 

 コンパニオン的な立場の人として、怪盗のレディ・クリスティが活躍します。今頃怪盗なんていう言葉は使いませんが、彼女には「怪盗」という言葉がふさわしいでしょう。冒険好きで、タフな女性です。演じるミシェル・ライアンが、またとてもセクシーで美しい方ですね。

 

 ちなみに、バスの乗客のバークレー役でダニエル・カルーヤが出演しています。ダニエル・カルーヤは、2017年に公開された映画『ゲット・アウト』の主演で一躍有名になりました。

 

2009年秋スペシャル「火星の水」

 舞台は2059年の火星。ちょうど人類初の火星移住者が来ているときでした。しかし、異変が発生します。そのクルーたちが、古代の火星人のウイルスに次々と感染し、水をはきだす怪物になってしまいました。当然ドクターは彼らを救おうとするのですが、彼らが死ぬのは歴史的に固定された事実であり、変えるわけにはいきません。

 

 ドクターは最終的に、生き残っていた数人のクルーを救うことにしました。ドクター自身は、最後のタイムロードであるという自覚を基にこの行動をとります。しかし、時空を歪めることになるこの行為に対し、救われた側のアデレードは大反発します。結果、彼女はその直後に自殺をしました。これは、ドクターの思い上がりが招いた死であり、彼に深い傷を残すことになります。

 

2009年クリスマス&2010年新年スペシャル「時の終わり」

 ついに来てしまいました。テナント=ドクター最後のエピソードです。今回のエピソードでは、シリーズ3の最後に死んだはずの宿敵マスターが復活します。さらには、ガリフレイのタイムロードまでも復活してしまいます。ドクターは、ドナのおじいちゃんとともにこの危機に立ち向かっていくことになります。

 

 ガリフレイの議会の様子とか、ドクターたちが宇宙船でミサイルに立ち向かうところなど、少しスター・ウォーズ的もシーンが見られましたね。個人的には、タイムロードの最高議長役でティモシー・ダルトンが出ていたことに、とても驚きました。ティモシー・ダルトンといえば、4代目ジェームズ・ボンドの人です!

 

 最後に、ドクターはこれまでの仲間たちを一目見ていった後に、ターディスの中で再生します。11代目ドクターに就任したのは、マット・スミスでした。やっぱり、こうやって見ると、マット・スミスは若い!

 

 

 

『ドクター・フー』シリーズ4まとめ

 これで、デヴィッド・テナントがドクターを演じるエピソードは終了してしまいました。もっと見たかったなぁ。基本的には明るく面白い人物ながらも、急にシリアスな雰囲気を醸し出す彼のドクターでした。特に、シリアスなときのテナントの演技は印象的でした。

 

 これで、Amazon Prime Videoで配信されている『ドクター・フー』はすべて観てしまったことになります。近いうちにマット・スミス版以降のエピソードも追加されるとは思いますが、自分はマット・スミス版の『ドクター・フー』は全部観ているので、次のピーター・カパルディ版まで待たなくてはなりません。あぁ、待ち遠しい。

 

 そんな状況に陥っている『ドクター・フー』ファンが私の他にいるのかわかりませんが、朗報です。実は、Amazon Prime Videoではスピンオフの『秘密情報部トーチウッド』がすでに配信されています。キャプテン・ジャックを主人公にし、トーチウッドの活躍を描いたこちらのドラマも見逃せません。アロンジ!

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