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海外ドラマ『デクスター』シーズン2感想:デクスターと欲望

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The voices are back. Excellent.

- Dexter Morgan in Dexter season 2

 

 冷凍車キラーとの対決を終えたデクスター。今度は、自分が絶体絶命の危機に陥ってしまいます。さらに深くデクスターの闇に迫る、シーズン2。

関連記事:海外ドラマ『デクスター』シーズン1感想:デクスターと父親 - 海外ドラマパンチ

 

追記:2022年3月7日より、Huluで8年ぶりの新シーズンとなる『デクスター:ニュー・ブラッド』が配信開始。アメリカで大きな話題を呼んだ注目作です。Huluでは『デクスター』の過去8シーズンもすべて見放題配信中。月額料金は1,026円(税込)。

 

海外ドラマ『デクスター』シーズン2基本データ

・原題:Dexter

・放送局:Showtime

・放送日:2008年2月13日~4月24日

・話数:12

・あらすじ:

 冷凍車キラー事件は終結したものの、デボラには、そのトラウマが強く残っていた。デクスターは、ドークス巡査部長に目を付けられ、思うように人殺しが出来なくなっていた。そんなとき、デクスターが過去に切り刻んだ人々が海底から発見される。FBIの敏腕捜査官ランディもやって来て、”ベイハーバー・ブッチャー”ことデクスターに対して、着実に捜査の手は伸びつつあった。

 

『デクスター』シーズン2感想(ネタバレ)

 冷凍車キラー事件の後、デボラには強いトラウマが遺り、デクスターはスランプに陥っています。デクスターには、絶対的な殺人衝動というものがあります。社会を良くするために殺人犯たちを殺しているのではなく、人を殺したくて、ついでに世のためになることをしている人間です。ゆえに、人を殺せないというのは、デクスターにとって死活問題になってしまうのです。

 

 このタイミングで、デクスターが殺してきた死体が見つかってしまいます。新たな殺人鬼は"ベイハーバー・ブッチャー”と名付けられ、徐々にデクスターにも捜査の手が迫ってきます。ドークス巡査部長の捜査も激化し、シーズン2にして、ついにデクスターは危機に陥ります。

 

 そうなると、デクスターもそう簡単に殺しは出来なくなるので、果たして自分の殺人衝動を抑えることが出来るかどうかを悩み始めます。殺人欲を抑え込むべきか、それとも受け入れるべきか。

 

 殺しを辞めることが出来るならば、基本的にはその方が良いに決まっています。しかし、デクスターは殺人衝動に憑りつかれています。薬物依存の場合と同様に、そう易々と辞められるものではないのです。

 

 依存症グループで知り合ったライラからは、欲望を抑え込むのではなく、己の怪物を受け入れるべきだと助言をされます。義父のハリーも、そういった考えを持っていたと言って良いでしょう。

 

 デクスターも、最終的には怪物を受け入れることにします。この決断は、デクスター自身のためというよりは、デクスターを頼りにしているデボラやリタ、リタの子供たちのためという意味合いもあるようです。自分が殺人鬼だということが明らかになれば、この4人は立ち直ることが出来ないかもしれません。デボラとリタはともかく、子供たちは特に。

 

 いくつかの運も味方をし、デクスターは何とか危機を乗り越え、自由を獲得します。ハリーの掟やライラにも囚われず、完全に自らの決断とルールで行動をしていくことを決めたのでした。

 

 

3組のカップル

デボラ&ランディ捜査官

 ベイハーバー切り裂き魔事件のために、FBIから派遣されてきた敏腕捜査官のランディ。彼は、一種の変人型探偵みたいなところがあって、妙な習慣をいくつか持っています。ランディが実際に捜査をしている場面もあるようで、全くないような気もします。冷凍車キラー事件のせいで、男性と付き合うことに強い抵抗を感じていたデボラは、そんなランディに惚れこみます。安心感があるんでしょう。

 

 年の差があっても、意外と上手くやっているようでしたが、結局は事件の終結とともに、この関係も終わりを迎えてしまいます。

 

デクスター&ライラ

 デクスターが薬物依存症セミナーで出会ったのが、ライラという女性です。ライラは、デクスターの深い闇に初期から気づいていました。そして、"心の怪物”を受け入れるよう助言をします。デクスターも、ルディに次いで、自分を理解してくれる者が現れたことを喜び、次第にライラに取り込まれていきます。そのセクシーな魅力にも惹かれ、デクスターとライラは一旦は相思相愛の関係になります。

 

 しかし、実はライラが病的にデクスターに執着していることが明らかになります。デクスターがソウルメイトだと信じ込み、少しでもリタがデクスターに近づいたら、自分を傷つけてでもデクスターの気を引こうとします。デクスター依存症の状態です。

 

 そんなライラは、デクスターの車のカーナビ履歴から、ドークス巡査部長が閉じこめられている小屋を発見します。そこでライラは、デクスターがベイハーバー切り裂き魔であることを知ります。そして、言うのです。

 

「可哀そうに、デクスター」

「そんな大きな秘密を抱えていたなんて」

 

 うぉぅ、そう来るか!ライラの状況を考えれば、でも確かに、そのような発言が飛び出してくるのです。ライラは、デクスター依存症なので、デクスターのすることなすこと全てを肯定するでしょう。2人だけの秘密――それも絶対に明かされてはならない――を持つことが出来れば、より2人の関係も親密になると考え、ライラは喜んだことでしょう。

 

 デクスターとしては、ライラの狂気的なまでの愛にはとても耐えられないので、彼女を殺すことにします。間違えてデボラの首を絞めたときにはヒヤッとしましたが、最終的にはパリまでライラを追いかけ、無事(?)に命を奪いました。

 

デクスター&リタ

 シーズン1の最初では、セックスなしの関係として始まったこの2人。そんな時期はあたかもなかったかのように、今では普通の熱々カップルになっています。しかし、デクスターが薬物依存症であると嘘を吐き、さらにはライラと浮気をしていたことが明らかになり、一旦は別れることになります。リタが最初にライラを見た目つきから、この展開は必然だったように感じます。

 

 それでも、リタの子供たちは、まだまだデクスターのことが好き。子供たちはリタの元夫のことも好きだったのですが、仕方ないですよね。というか、デクスターはちょっとズルいと言った方が良いかもしれない。たまに来て、好きなことを何でもさせてくれる人に対しては、そりゃ好意を抱くようになるものです。

 

 ライラの危険性に気付いてからは、デクスターはリタの家族を守るために全力を尽くします。やはり、デクスターにとって真の繋がりを得られるのは、リタとその子供たちだということに気付いたのでしょう。

 

 

まとめ

 『デクスター』シーズン2は、シーズン1の1.5倍ぐらい面白かったです。ついにデクスターが警察に追われる展開になり、正体がバレるかハラハラする場面が盛り沢山。ライラという、デクスターに劣らない狂気を備えたライラも登場し、彼のダークな人間性もさらに深掘りされています。Excellent.

 

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