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映画『コーダ あいのうた』感想(ネタバレあり)

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 全世界で絶賛されている話題の映画がついに、ようやく日本に上陸しました。『Coda コーダ あいのうた』は、本当に良い映画なので、とりあえず映画本編を観てほしいです。解説なんて要らないと思います。とはいえ、一応キャストとスタッフの情報および自分の感想をここに残しておきます。

 

 

映画『コーダ あいのうた』基本データ

  • 原題:Coda
  • 上映時間:111分
  • 公開日:2021年8月13日(アメリカ) 2022年1月21日(日本)
  • 監督・脚本:シアン・ヘダー
  • 予告編:

    www.youtube.com

 

キャスト&スタッフ

 主演のエミリア・ジョーンズは、現在Netflixドラマ『ロック&キー』にも出演中の注目若手女優です。子役時代から活動しており、2013年に放送された『ドクター・フー』シリーズ7第7話「時の女王」でも歌声を披露していました。

 

 エミリア・ジョーンズは、今回の役で数々の新人俳優賞にノミネートされ、受賞しています。Hollywood Reporterを始め、2021年最も飛躍した若手女優の筆頭に挙げられるようになったエミリア・ジョーンズは、今絶対に注目しておきたい人物の一人です。

 

 主人公の母親を演じるマーリン・マトリンは、映画『愛は静けさの中に』でアカデミー賞主演女優賞を受賞。当時21歳での受賞は、現在でも最年少記録です。アカデミー賞を受賞した唯一の聴覚障害者であり、授賞式では手話でスピーチを行いました。

 

 主人公の父親役のトロイ・コッツァーと兄役のダニエル・デュラントも、実際に聴覚障害を持っています。

 

 監督のシアン・ヘダーは、Netflixの映画『タルーラ~彼女たちの事情~』でもメガホンを取っています。

 

 本作は、フランスの映画『エール!』(2014年)のリメイクです。サンダンス映画祭では絶賛され、審査員大賞と観客賞をともに受賞しました。このときにAppleが配給権を獲得し、日本以外の多くの国ではApple TV+で公開されましたが、日本ではGAGAが配給して劇場公開されます。

 

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感想(ネタバレあり)

 コーダ(CODA, Children of Deaf Adults)とは、聴覚障害を持つ親の子供のこと。主人公のルビーは、コーダの高校生です。父親と兄は漁師で、2人の手伝いをすることもあります。両親も兄も聴覚障害があるため、家族内での会話はすべて手話で行われます。ルビーだけは耳も聞こえて話すこともできるので、通訳の役割としても家族にとっては重要な存在でした。

 

 聴覚障害に限らず、親が何かしらの介護などを必要とする場合、子供がその役割を引き受けることがあります。そのような子供たちは、ヤングケアラーと呼ばれます。子供ならば、親のことをよく知っていますし、親を助ける義理も多少は感じているかもしれません。さらに、子供ならば給料を払う必要がありません。

 

 両親はルビーに遠慮なく頼り切っている感じがします。しかし、ルビーも家族の通訳ばかりをやっているわけにはいきません。自分のやりたいことや将来の夢だってあります。兄は妹に頼り切ることを快く思わず、一人で飲み会に参加したりしています。

 

 聴覚障害があるからといって、人生を謳歌できないわけではありません。むしろ、ロッシ夫妻は、とても幸せなカップルです。おそらく結婚して20年前後ぐらいだと思いますが、夫婦の会話は楽しそうで、性生活も充実しています。

 

 ルビーも、家庭にいるときは、他のティーンエイジャーと比べて特別不幸なわけではありません。親に反抗することもありますが、それは普通の反抗期のようなもの。父親と兄が推進する漁業改革には積極的に協力します。

 

 でも、学校では、他の子供たちと比べると不幸に見えます。小学校に入学したときに話し方が独特だったことからイジメられがち。今でも、ろう者の家族を笑いのネタにされることがあります。

 

 あるとき、もともと歌うことが好きだったことと、気になる男子が入部したことから、合唱部に入ることを決めます。合唱パートを決めるために、それぞれ歌うことになったときは、しかしながら、歌うことが出来ませんでした。

 

 それでも、音楽教師の指導を受けて、歌うことに自信を持てるようになります。最初に歌うとなんだか頼りなげな感じだったのが、教師とちょっとした訓練をするだけで、毎回すぐに上達するのには驚きます。たぶん、これは先生が凄い。音楽教師が天職なのでしょう。

 

 ルビーの歌はどんどん上手くなるのですが、家族はその歌声を聴くことは決してありません。合唱会のシーンでは、ルビーのデュエットの途中で音が消え去ります。ルビーの家族(とそのシーンを観ている私たち)は、他の観客の様子を見て、ルビーの歌の上手さを推し量るしかありません。涙を流す人もいるほどですから、その歌声は見事なものだったに違いありません。

 

 最終的には、ローズは自分の夢を追うことができ、家族は漁業改革にも成功したようです。入学試験での歌のシーンは、こっちも涙が出そうになったものです。

 

 聴覚障碍者を主人公にした映画と言えば、ちょうど昨年の『サウンド・オブ・メタル』などがありますが、この映画はその子供の視点に立った作品です。ろう者自身やその家族には困難もありますが、『コーダ』で描かれたロッシ家は幸福そうに見えます。困難だけでなく生きる喜びもも描かれていたのは、この映画が他の作品と違ってユニークなところだと思いました。

 

 聴覚障害を持つ人たちが中心になっているカリフォルニアのの劇団「デフ・ウェスト・シアター」は、映画にインスパイアされた内容のミュージックビデオを制作しました。曲は、映画でエミリア・ジョーンズが歌っていた「You're All I Need To Get By」です。

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まとめ

 本国での評判通り、映画『コーダ あいのうた』は素晴らしい作品だったと思います。それは、映画を観た人ならば何かしら感じてもらえたと思いますし、このブログ記事でわざわざ付け加えることもないでしょう。ヒットしてくれたら良いなぁ。

 

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