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海外ドラマ『ブレインデッド』ネタバレ感想:その腐った政治、宇宙蟻のせい!?

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What's eating Washington? - BrainDead season 1

 2016年、人々の頭はおかしかった。すべての始まりは、ロシアに落ちた隕石にあるのかもしれない……。

 

 

 

 

 

海外ドラマ『ブレインデッド』基本データ

・原題:BrainDead

・放送局:CBS

・放送期間:2016年6月13日~9月11日

・話数:13

・キャスト:メアリー・エリザベス・ウィンステッド『FARGO/ファーゴ』シーズン3、ダニー・ピノ『コールドケース』、トニー・シャルーブ『名探偵モンク』

・あらすじ:

 ロシアに落ちた隕石から、蟻の姿をした地球外生命体が出てきた。宇宙蟻は、ワシントンD.C.の人々の脳を食べ、思考を支配し始めていた。メラネシアの宗教音楽に関する記録映画を作っていたローレル・ヒーリーは、上院議員の兄の手伝いをするために、D.C.にやってくる。

・予告編:

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海外ドラマ『ブレインデッド』ネタバレ感想

 なんじゃこれ!?面白いとか面白くない以前に、まず呆気に取られます。主な舞台になるのは、ワシントンD.C.の議会なので、このドラマは政治劇なのかな思います。しかし、題名からして『ブレインデッド』です。単なる政治劇であるわけがありません。序盤から、蟻の姿をした地球外生命体が登場し、物語はSFホラーの様相も呈してきます。

 

 このドラマは「政治劇×SFホラー」という、全く独自のジャンルを開拓しています。政治劇ドラマであれば『ザ・ホワイトハウス』だったり『VEEP/ヴィープ』だったり、ホラーであれば『ウォーキング・デッド』や『スーパーナチュラル』といったものがあります。しかし、それを合体させようなどと誰が思ったのでしょう!

 

 ここで、注目したいのが主演のメアリー・エリザベス・ウィンステッドです。『ダイ・ハード4.0』から『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒』など、数多くの作品に出ているので、一度は見たことがあるかもしれません。彼女の初期の主演作品は『ファイナル・デッドコースター』や『遊星からの物体X ファーストコンタクト』など、ホラーが多め。一方で、最新の主演作『ニーナのすべて』などでは、演技派女優としての魅力も増しつつあります。ハリウッドの俳優の中でも、稀有なキャリアを辿っている彼女ですが、ホラー×演技派というのは、ちょうど『ブレインデッド』のジャンルとも被っているように思えたり。

 

 キャストでは、上院議員のレッド・ウィータスを演じるトニー・シャルーブも印象的でした。『名探偵モンク』のモンクさんです。同じ上院議員でも、ルーク・ヒーリーの方は好感を持てるのですが(でも、浮気野郎)、レッドはいかにも政治家という感じで嫌な雰囲気をぷんぷん出しています。猿の脳ミソとか食べているので、臭いもぷんぷんしそうですが。

 

 さて、大事なのは「政治劇×SFホラー」という試みをやったは良いが、それが成功しているか否かです。宇宙蟻が人間たちの脳に寄生し、政治的に地球を侵略しようとする筋立ては、突拍子もないけれど、面白いんです。この宇宙蟻の脅威は、人間の目に見えないところで行われているというのが良いですよね。あまりにも密かに侵略が行われているので、主人公のローリーたちは、頭のおかしな人のような扱いをされてしまいます。

 

 加えて、宇宙蟻の脅威は、誰にでも平等に襲い掛かり得るのが良い。寝ているときに耳に入ってくるのは、誰だって阻止できませんからね。それは、蟻を捜査する人たちも同じであり、ローリーも一度は蟻に侵食されてしまいます。頭から蟻を追い出そうと色々やってみる第6話は、個人的に、とても好きなエピソードです。

 

 一方で、政治劇パートに関しては、もっとやりたいことがあったことのではないかと思います。第1話の冒頭では、2016年の人々の頭はおかしかったと述べられています。これは主に、泡沫候補だと思われていたドナルド・トランプが躍進していることを指しています。この出来事をドラマに取り込むならば、アメリカ全土の人々の頭に宇宙蟻がいなくてはいけません。D.C.の人々の頭がおかしいだけでは、トランプを大統領にすることは出来ないので。しかし、ドラマは打ち切りで終わってしまったため、蟻はD.C.しか侵略することが出来ませんでした。

 

 ドラマ『ブレインデッド』は、2016年6~9月に放送されました。大統領選は、その年の11月に行われます。そのため、当時のアメリカの視聴者は、トランプが徐々に支持を集め、民主党がグダグダになっていく様をリアルタイムで見ていたのです。ドラマの中では、蟻は大統領選の前に退治されましたが、現実では、まさかのトランプが当選するなど、なんだかまだ蟻がいるんじゃないかと思ってしまいます。

 

 蟻がいなくたって脳が半分になったって、政治家のやっていることは何も変わらないんだよね、という痛烈な皮肉でドラマは幕を下ろします。蟻にbraindeadされなくても、政治家の脳ミソなんて最初からbraindead状態でしょ、と。そういうオチ、好きです。

 

 ちなみに、宇宙蟻たちは桜の花に産卵して増えていましたが、ワシントンD.C.にある桜並木は、日本が日米交流を記念して寄贈したものです。もしかして、宇宙蟻の繁殖は日本のせいだったりして???笑

 

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